日本の社会保障費
「財政危機と社会保障」(鈴木亘 著)を読みました。
2010年発行ですから約9年経過していますが、今読んでも読みごたえがあります。
これを参考に現在の日本の社会保障費について述べたいと思います。
まず日本国の予算には①一般会計予算と②特別会計予算があります。
①一般会計はその年度内に行う事業のための予算で、主に税収によって財源が賄われその年度内に使い切ることを原則とします。
②特別会計は目的が限定された税収(特定財源)によって賄われ、年金や雇用保険など将来の支払いのために別会計で運用されているものです。
2019年度でみると
①一般会計の歳出総額は101.4兆円 ですが、一方で
②特別会計予算は197.0兆円 と2倍近い予算であり、そのうち社会保障給付費は70.3兆円に達します。
さらに、
①一般会計のうち34.0兆円が社会保障関係費と3/1以上を占めています。
公共事業関連費や防衛関係費はいずれも数兆円程度であることからも、如何に多くの金額が社会保障関係費に流れているかお分かりと思います。
全体でみると70.3+34.0=104.3兆円もの金額が社会保障関係に消えているのです。
なお、
①一般会計のうちの社会保障関係費(34.0兆円)を詳しくみると、医療給付費が11.6兆円、年金給付費が11.7兆円となっています。
ですので社会保障費のすべてが医療に用いられているわけではありませんが、非常にたくさんの税金が医療には投入されています(②特別会計予算の社会保障給付費の内訳は分かりませんでした。だれかご存知ならご教示ください)。
我々の生活から見ると、月々の給与から源泉徴収される社会保険費は②特別会計予算の社会保障給付費や健康保険組合などに流れています。さらに所得税や消費税として徴収された税金(の一部)が①の社会保障関係費となっています。
さらには、この年の新規国債発行額は32.7兆円でした。
税金という我々の給与の一部、、というかそれなりの部分から多額の出費をし、さらに借金をしてやりくりしている日本の社会保障。
システムとして持続可能でないことは間違いないでしょう。これを維持するには税金を増やすか社会保障を切り詰めるか、もしくはその両方かしかありませんが、おそらく増税+切り詰めを両方行うことになっていくでしょう。。
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